INTERVIEW
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フラクタル設計事務所の設立経緯を教えてください。
現在も母体としてありますが、元々はセントラルホームという会社からスタートし、フラクタル設計事務所は途中からつくりました。
セントラルホームは一般的な住宅屋なのですが、住宅業界は目まぐるしく変化していて、このままだと近い将来、価格の波にのまれて、会社自体は良い方向にいかないだろうと思いました。
そこで、差別化をするためにも、より一層デザイン性の高い建物をつくっていこうと、フラクタル設計事務所をつくりました。フラクタルで設計管理をして、セントラルホームで施工するというスタイルで運営しています。 -
2007 年の会社設立からこれまでの様々なご経験の中で、ご苦労されたことであったり、嬉しかったことであったり、印象に残っている出来事をお聞かせください。
これまで一貫してデザインにとことんこだわっているので、デザイン性の高い家=フラクタルというのがなんとなく定着しつつあることは嬉しいですね。 -
ご苦労された点は?
それはいつもしています(笑)。
特にスタッフがなかなか定着しないのは苦労していますね。これはうちに限らず、業界全体の問題でもあるのですが。 -
取り分けフラクタル設計事務所に関しては、より高いスキルや知識を求めていらっしゃる印象があるのですが、それについていけないというのはありますか?
こだわりの家をつくりたいというお客様が多いので、他社さんが求めている人材とちょっと違う部分はあると思います。最初からそれを求めているわけではありませんが、実際に入ってみて、比較的一般的な家づくりをするところだと思っていたら違った、というギャップを感じられる方はいますね。
ですので、私たちが求めているというよりは、お客様の求めることに真摯に対応した結果として身に付くものが多くなるということなので、あくまで結果です。最初から求めてはいません。 -
では経験の有無は問わない?
私自身、元々は建築屋の営業をやっていました。そこから徐々に建築の魅力に触れ、建築士の免許まで取ったという経緯があります。
ですので、経験があるに越したことはありませんが、なくても建築に興味があれば受け入れますし育てます。そして、得意なことを伸ばしていただき、組織の中に居場所をつくってもらいたいと思っています。
結果として独立をしたくなったら応援します。悔しいけど(笑)。常務は早く引退したいらしいので後釜がほしいと言っています(笑)。 -
社長も、いち営業マンから出発して独立をされたわけですものね。その独立をした当初と今、考え方が変わった点があれば教えてください。
やはり当初は一人でも多くのお客様が満足する家をつくることに必死でした。その結果として今があるのですが、これからはお客様に満足してもらうのはもちろんとして、働いてくれているスタッフたちの満足も考えていきたいと思っています。お客様が満足した代償としてスタッフが疲弊することに違和感を覚えるようになってきましたので、両立を目指します。今がその変わろうとしている段階なので、うまくいかないこともあると思いますが、チャレンジしていきます。 -
具体的には?
象徴的なところだと、カレンダー通りの休みになることを目指します。 -
建築業界では画期的なことだと思いますが?
はい、そうです。業界の常識は世の中の常識ではなく、そこにギャップを感じる方が多いので、そのようにしていきたいと思います。しっかり働いてもらった分、ちゃんと休んでもらいます。プライベートも充実させてほしいです。
建物だけではなく働き方も自慢できる会社でありたいですし、そうできるようにみんなで考えていきます。
業界の常識とイメージを変えていきたいと思っています。 -
フラクタル設計事務所にとって、しっかり働くとはどういうことですか?
デザインを含めた家づくりにこだわりを持ち、妥協しないということですね。そのためなら立場を問わず、どんどんと意見してほしいと思います。
あと、お客様に対してもスタッフに対しても思いやりを持って働いてもらいたいです。目標と目的に向かって一緒に進んでいくために。 -
意見することに対して怒ったりはしませんか?
いい家をつくるための議論はしますが、そもそも争いごとが嫌いですし、小心者なので大丈夫です。昔は鬼だったと言われますが(笑)。 -
いい家をつくるためには鬼にもなる社長にとって建築とは?これからの建築の可能性も含め、最後に聞かせてください。
これからはAI を仕事に使う、あるいは奪われるということは普通にあると思います。その中で、建築はどうやって生き残っていくか?というのは難しい問題です。
例えば、家族構成に基づいたどういった間取りがこの敷地には適切か?みたいなものをAI は導き出せると思います。それを規格化し、職人ではなくても家をDIY できることにこれからなっていきそうです。
でも、お客様がちゃんと言葉にはしていない、言葉にできない感性の部分は、AI にはわからないと思います。建築に限ったことではありませんが、人間の仕事が生き延びる術はそこしかないと思います。
つまり、人間同士だからこそ感じ取れることを形にしていくことこそ建築なのではないと思うのです。
少なくとも私たちの建築はそうです。
お客様ともそうですし、スタッフをはじめ、家づくりに関わる全ての人の感性を大事にしていきたいと思います。
今回の募集はそれをしていく仲間探しです。